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アクティブ・ラーニング!!

小林 慶太郎教授
 
 

 この随筆をお読みの皆さんは、アクティブ・ラーニングという言葉、見たり聞いたりされたことがあるでしょうか? 近年、教育関係では、よく耳にするようになった言葉です。2012年8月に出された中央教育審議会の答申「新たな未来を築くための大学教育の質的転換に向けて 〜生涯学び続け、主体的に考える力を育成する大学へ〜」では、以下のように説明されています。

 教員による一方向的な講義形式の教育とは異なり、学修者の能動的な学修への参加を取り入れた教授・学習法の総称。学修者が能動的に学修することによって、認知的、倫理的、社会的能力、教養、知識、経験を含めた汎用的能力の育成を図る。発見学習、問題解決学習、体験学習、調査学習等が含まれるが、教室内でのグループ・ディスカッション、ディベート、グループ・ワーク等も有効なアクティブ・ラーニングの方法である。

 従来型の大学教育には、なかなか馴染まないようにも思われるかもしれませんが、私たち総合政策学部では、早くからこのアクティブ・ラーニングに取り組んできました。
 そもそも、総合政策学とは何なのか? 私自身は、「政策=問題・課題の解決・改善策」と考え、様々な問題・課題に対して様々な視点・観点から解決・改善策を考えていくことが、総合政策学であると捉えています。
 このような捉え方からすると、問題・課題の発見につながる発見学習や、問題解決学習、そして問題・課題の現場を体験する体験学習や、問題・課題やその解決・改善策の実態を調べる調査学習などのアクティブ・ラーニングは、総合政策学とは切っても切り離せない学習手法なのだということが、お分かりいただけるのではないでしょうか。

 この後学期に私の担当している授業でも、アクティブ・ラーニングを取り入れた様々な取り組みをしてきました。
 例えば、ご当地グルメなどの食を通じたまちづくりの可能性を考える「食とまちづくり」という授業では、学生たちも実際に青森県十和田市で開催された「ご当地グルメでまちおこしの祭典B-1グランプリ」に四日市とんてき協会のスタッフとして参加してまちづくりの現場を体験したり、各地で食を通じたまちづくりに取り組んでいる方々と意見交換したりする中で、自分たちでまちづくりの課題と可能性について考えてきました。
 また、「コミュニティ論」という授業では、三重県南部地域活性化局や鳥羽市役所との協力のもと、学生たちは、鳥羽市の中心部に位置する岩崎・本町・大里という3つの町内会の区域に何度も足を運び、地域の伝統行事に参加したり、フィールドワークを行ったりしながら、いかにしたら地域の衰退を食い止めて生活を維持していけるかという課題の解決策を模索し、地元のコミュニティの方々とも意見交換を重ねてきました。
 総合政策学部では2004年度から毎年実施し恒例となっている「入門演習」(1年ゼミ)対抗のディベート大会も、典型的なアクティブ・ラーニングと言えるでしょう。今年のディベート大会の論題は「日本は飲酒ができる年齢を満18歳まで引き下げるべきである。是か非か?」というものでした。来年から選挙権が18歳まで引き下げられますが、それに伴って飲酒可能年齢等も18歳に引き下げることが妥当かどうか、当の18〜19歳の諸君に考えてもらおうという企画です。新有権者として、こうした国の政策の当否を考える力も、身に着けていって貰えればという意図もありました。

 そして、3・4年生のゼミである「専門演習」。毎年、「ジョイントセミナー」と称して、早稲田・法政・宇都宮・中央学院の各大学の行政学・地域政策系のゼミと合同で、12月に研究発表合宿を行っているのですが、この合宿での研究発表に向けたゼミ生諸君の取組みもまた、アクティブ・ラーニングそのものと言えるでしょう。
 今年、四日市大学からは、私のゼミと岩崎副学長のゼミの3・4年生合計約30名が、4つのチームに分かれて研究発表を行いました。地域におけるドローン(無人航空機)の活用、伊勢志摩サミット、自転車をめぐる道路交通法の改正、村の財政力の違いが子育てに与える影響、4チームいずれのテーマも、タイムリーで、そして教室の中にいただけでは問題・課題の本質が見えてこないので現場に足を運ぶことが不可欠な、そんなテーマです。
 伊勢志摩サミットを調べたチームは、三重県の伊勢志摩サミット推進局だけではなく九州沖縄サミットの舞台となった沖縄県にも足を運び、沖縄県の担当職員の方にヒアリングしたり会場となった万国津梁館を訪問したりもしました。
 道路交通法の改正について調べたチームは、警察関係者のみならず、自転車関連団体にもヒアリングをし、法改正の意図や効果について、検証していました。
 村の財政力の違いが育てに与える影響を調べたチームは、地方財政制度について勉強するとともに、日本一財政力指数の高い愛知県飛島村に調査に行くとともに、比較対象として選んだ同村と人口・面積がほぼ同規模ながら財政力指数の低い沖縄県伊江村にも、ヒアリング調査に出向きました。

 こうしてまとめられた研究発表は、どれもこれも力作ぞろいでしたが、なかでも高い評価を得たのが、地域におけるドローンの活用を考えたチームの研究発表です。自分たち自身もドローンの操縦体験を行いその特性をしっかり把握するとともに、サミットに向けて治安を守る観点から規制の視点が強い三重県庁や三重県警、災害時の対応などの面での活用を考え始めた愛知県警、新産業として積極的な活用を働きかけたい業界団体など、立場の異なる様々な当事者に多角的にヒアリングを行って問題・課題を浮き彫りにし、さらに文献や報道記事なども参考にしながら、オリジナルの活用策を提言したこのチームの研究発表は、「ジョイントセミナー」で各大学から発表された合計13本の研究発表の中で、準グランプリという評価をいただくことができ、その研究の概要は、先日本学で開催された「わかもの学会」でも発表されました。

 このようなアクティブ・ラーニングを取り入れた学習を通じて、学生たちは、自ら調べ・考え・組み立てていく力を着実に身に着けていっていると感じます。2016年も、引き続き、学生たちの力を高め伸ばしていくために、アクティブ・ラーニングの手法を、積極的に活用して学生教育に取り組んで参りたいと考えています。





【鳥羽市での地元の方との意見交換会】


【ディベート大会で優勝楯を受け取る学生】


【ジョイントセミナー準グランプリの賞品を手に】


【伊江村役場でのヒアリング】

 


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