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視察研究学会「飛鳥・明日香路を訪ねて」にOBと参加したコメント

吉村 壽夫教授
 
 

 昨年10月末、本学OBのI氏と共に視察研究学会「飛鳥・明日香路を訪ねて」に参加した。この度の研究会は、天皇、豪族の陵墓見学(箸墓古墳、天武・持統天皇陵、欽明天皇陵、高松塚古墳等)を通して、日本の国家の成り立ちから古墳時代、飛鳥時代、当時の周辺国の新羅、百済、高句麗、唐の国等の関係を再認識しただけでなく、色々と新たな発見ができ、大変有意義な機会となった。

 今から1400年前、この時代、日本は「仏教」という新しい思想と共に、近隣諸国の中国と朝鮮半島の進んだ制度や文化、技術を取り入れ、中央集権国家として成立した。「日本」や「天皇」という称号が使われ始めたのもこの時代であると言われている。

 私にとっては、大和、飛鳥・明日香路を訪ねるのは45年ぶりである。学生時代の東洋美術史単位修得(奈良・京都方面1週間の古美術研究)以来である。当時桜井、飛鳥・明日香方面では、石舞台、飛鳥寺の飛鳥大仏、聖林寺の十一面観音像を見学した。

 前回訪問時の石舞台は、田んぼの真中に存在している感じであった。50メートル四方の溝遺構はなく、また蘇我馬子の墓であるとの認識もなかった。今回、巨大な墓石空間に権力と改めて日本の巨石文化の象徴を感じた。

 飛鳥寺の飛鳥大仏は、今回見学のコースに入っていなかったが、2日目の甘樫丘展望台から飛鳥寺を探し学生時代の記憶を辿った。飛鳥大仏(釈迦如来坐像・重要文化財)は推古天皇の勅願により建立された。仏師・鞍作鳥によって作られた日本最古の仏像である。高さ約3メートル、黄金30キログラムが鍍金に使われたがその約半分の黄金300両が高句麗の王から贈られたと『日本書紀』等が伝えている。確か戦前は国宝であったが戦後の国宝審査により重要文化財に格下げになったと認識している。やはり顔などのフォルムが甘い表現にあると思う。改めて近いうちに飛鳥寺大仏を再見したいと強く思った。

 聖林寺の十一面観音像、国宝中の国宝が見学コースの大神神社の神宮寺に明治の廃仏毀釈以前には安置されていたとの新しい認識発見に喜びを感じた。神仏分離・廃仏毀釈の嵐が荒れ狂う最中、よくぞ破壊されずに守られ今日あるのは、像の持つ美しさは元より、あのフェノロサも絶賛している、自然に手を合わせたくなる尊厳さをたたえた強いフォルムによるのである。

以上研究学会に参加し大変有益であったことに感謝しての報告である。


 



 


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