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「第18回鈴鹿大学外国人日本語スピーチコンテスト」に参加しました

 10月25日(日)、鈴鹿大学において開催されました「第18回鈴鹿大学外国人日本語スピーチコンテスト」で、本学から出場した経済学部2年平平さんが「鈴鹿大学学長賞」を受賞しました。
 スピーチのテーマは「伝統文化の伝承を目指して」。中国の内モンゴルから日本に留学して2年、ようやく日本の生活にも慣れ、充実した留学生活を送る毎日の平平さん。とは言え、異国での生活の中で、時々故郷が恋しくなると言います。その平平さんが語った内容は、近年来の経済発展により変わりつつあるモンゴル族の伝統・文化の現状とその行く末に対する危機感でした。
 砂漠化が社会問題化する内モンゴルでは中国政府により放牧が制限され、平平さんの実家でも飼育していた大半の羊や牛を売り払い、残った僅かばかりの家畜を飼育するだけとなり、生活環境が大きく変わりました。平平さんの故郷のモンゴル地域では7月になると民族の最大のスポーツの祭典であるナ―ダム祭がおこなわれます。しかし、近年、そのナーダム祭への参加者が減少し、かつてのような活気を失いつつあります。その理由の一つは、海外から輸入された様々な娯楽文化の普及により、多くの若者が自民族の伝統行事にあまり関心を示さなくなったことにあります。大自然の中で人々との触れ合いを通して民族の絆や親睦を深める従来の伝統的なスタイルから、一人で楽しむ電子ゲームや外国映画といった新しい娯楽文化に興味、関心が移り始めたからです。放牧の制限によりナ―ダム祭に参加する競馬の騎手も減少していると言います。
 このような内モンゴル社会の変化に対し、長年に亘り培われてきた伝統文化が、近い将来、途絶えてしまうのではないかという不安を抱いた平平さんは、自分自身が伝統文化の継承者の一人として、後世に伝えていく橋渡し役として尽力することを決意し、その思いを力強く聴衆に語りかけました。スピーチ終了後、会場からは大きな拍手が起こりました。
 今回の受賞により、平平さんは、伝統文化継承の重要性をより強く感じ、その実現に真剣に取り組む決意を新たにしたようです。今後の活躍が大いに期待されます。

スピーチコンテストの様子



 

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