生命倫理学
・ 値段は私が購入または調査した時点のもので、最新のものではありません。
・ 同じ本が、単行本から文庫本になったり、他社から出版されたりしている場合があります。
1.脳死・臓器移植
2.自己決定権・インフォームドコンセント
3.生殖・クローン・遺伝子
4.安楽死・尊厳死
5.生命倫理全般
※ 医療の発展は、医療技術の進歩と歩みを共にしています。
その意味で、生命倫理は技術者倫理(技術倫理)と深く関係します。
技術者倫理のページは別にありますので、
そちらも参照してください。
※ 応用倫理学全般に興味をお持ちの方
(および「応用倫理学って何?」と思われる方)は、
メニュー(B)に戻って、「倫理学入門」のページをご覧下さい。
「環境倫理」「ビジネス倫理」等に関心をお持ちの方は、
メニュー(B)に戻って、それぞれのページをご覧下さい。
1.脳死・臓器移植
生命倫理学で最も注目を浴びているのが、
脳死と臓器移植の問題です。
両者は、本来、まったく別々の問題ですが、
関連づけられて論じられているという現実があり、
本でもあわせて論じられていることの方が多いようですので、
ここでも一緒に扱います。
まず、この問題の背景というか根底にある問題から論じている、
小松美彦氏の本から紹介しましょう。
小松美彦『脳死・臓器移植の本当の話』PHP新書、950円
決して「やさしい」とは言えない本ですが、
「ここまで根本から考えさせてくれる本は他にない」と言っても、
おそらく言いすぎにはならないと思います。
この本を読むと、これまでの臓器移植をめぐる議論が、
いかに表面的なものであったかに気づくはずです。
読んで「むずかしい」と思われた方も、
「そもそも臓器移植という問題は、それほど難しい(複雑な)問題なんだ」
ということに気づいてもらえれば、大きな前進といえのではないでしょうか。
序:「星の王子さま」のまなざし」「2脳死・臓器移植の「外がわ」」
「3脳死神話からの解放」「4「脳死=精神の死」という俗説」
「5植物状態の再考」「6脳死・臓器移植の歴史的現在」
「7「臓器移植法」の改定問題」「終:旅の終わりに」からなります。
脳死といえば、立花隆氏の名前を思い出す人も多いはず。
それくらい、大きなインパクトを与えた本です。
立花隆『脳死』中公文庫、923円
脳死とは一体何なのか。
この一点に、ひらすらこだわり、こだわり抜いた本です。
立花氏の鋭い批判精神が随所に発揮されている名著です。
「脳死とは何か」「脳死のどこが問題なのか」「厚生省判定基準に疑義あり」
「脳幹死説批判」「脳死の脳は本当に死んでいるのか」
「何が許され、何が許されないのか」からなります。
また、上の本の続編ともいえるものに、
立花隆『脳死再論』中公文庫、705円
立花隆『脳死臨調批判』中公文庫、686円
があります。
立花隆と並ぶ有名人は梅原猛氏。
脳死臨調の圧倒的少数派、圧倒的劣勢の中で、
「脳死は死でない」と主張してがんばり続けた哲学者です。
梅原猛編『脳死は死でない。』思文閣出版、1553円
は、梅原氏の脳死をめぐる対談集です。
対談集ですので、比較的気軽に読むことができるでしょう。
(重いテーマではありますが。)
また、脳死と関連する幅広い問題が扱われていることも魅力です。
「脳死−どこに、いかに問題はあるか」「ある臨床医の脳死観」
「死を巡る」「脳死と日本人の死生観」「少数意見かく戦えり」
「死の概念と臓器移植」「それでも脳死は死ではない」
「医学と生命」からなります。
すでに脳死状態からの臓器提供は認められ、
その筋道ができたかに見えます。
その時に、あえて出版された、こんな本があります。
近藤誠他『私は臓器を提供しない』洋泉社、660円
全体は「T医師の立場から」「U思想者の立場から」
「V仏教者の立場から」「Wジャーナリスト・ライターの立場から」
の4つに分かれ、それぞれ3人程度の執筆者が、
自分の立場から「臓器を提供しない」とする主張をしています。
クレア・シルヴィア/ウィリアム・ノヴァック『記憶する心臓』角川書店
心臓移植とともに、ドナーの心までも移植されたという
衝撃のレポートです。
全18章からなります。
森岡正博『生命観を問いなおす』ちくま新書、660円
は、生命を環境という大きな視点から捉えなおした本です。
「5専門の囲いの中で」「6反脳死論を解読する」で、
この問題が取り上げられています。
加藤尚武『脳死・クローン・遺伝子治療』PHP新書、657円
では、「1脳死と臓器移植」で取り上げられています。
米本昌平『バイオエシックス』講談社現代新書、631円
では、「5臓器移植と脳死」で取り上げられています。
米本昌平『先端医療革命』中公新書、680円
では、「2脳死と心臓移植」で取り上げられています。
島次郎『先端医療のルール』講談社現代新書、660円
では、「4人と動物の境はどうなるか」で取り上げられています。
2.自己決定権・インフォームドコンセント
生命倫理の根本は、自己決定権だといわれます。
その意味でも、まず読んでいただきたい本です。
小松美彦『自己決定権は幻想である』洋泉社、740円
「自分で決める」なんて、あまりに当たり前のことで、
我々は深くこの問題を考えてきませんでした。
しかし、自己決定というのは、これほどまでに深い問題だったのです。
この本は、そのことに気づかせてくれます。
「序:自己決定権とは何だったのか」「1私はなぜ自己決定権を認めないのか」
「2自己決定と自己決定権はどう違うのか」「3自己決定権と福祉国家の行方」
「4死をめぐる感性、批判をめぐる感性」「5ノンと言い続けることの重要さについて」
「終:自己決定権批判の課題はどこにあるのか」からなります。
加藤尚武『脳死・クローン・遺伝子治療』PHP新書、657円
では、「4患者の権利」の中で、
インフォームドコンセントなどのテーマが扱われています。
続いて、この問題に関わる新書を3冊、あげておきます。
水野肇『インフォームド・コンセント』中公新書、680円
星野一正『インフォームド・コンセント』丸善ライブラリー、680円
和田努『カルテは誰のものか』丸善ライブラリー、699円
3.生殖・クローン・遺伝子
金城清子『生殖革命と人権』中公新書、660円
生殖の問題を生命倫理という観点からのみでなく、
社会論のような立場も含め、非常に幅広く扱っている本です。
「1生殖革命の展開」「2生殖技術の現状」「3親子という関係」
「4生殖の自由・権利、家庭を形成する権利」
「5生殖技術のこれから」からなります。
加藤尚武『脳死・クローン・遺伝子治療』PHP新書、657円
では、性転換手術、不妊治療などの問題が「2性と生殖の倫理」で、
クローン人間の問題が「3クローン人間の練習問題」で、
遺伝子治療の問題が「5遺伝子治療と人類の未来」で取り上げられています。
米本昌平『バイオエシックス』講談社現代新書、631円
では、遺伝子治療の問題が「3遺伝子治療の光と影」で、
体外受精の問題が「4拡大する体外受精操作」で取り上げられています。
米本昌平『先端医療革命』中公新書、680円
では、生殖に関わる問題が
「3優生社会への危険とは何か」と「5胚と胎児をめぐって」で
取り上げられています。
島次郎『先端医療のルール』講談社現代新書、660円
では、受精卵をめぐる問題が「2受精卵は人か物か」で、
遺伝子をめぐる問題が「3遺伝子は誰のものか」で取り上げられています。
有福孝岳編『エチカとは何か』ナカニシヤ出版、2400円
第2部は「倫理学の課題」で、倫理学の基本的な問題を
12章に分けて考察しています。
このうち「17クローン人間はつくられてよいか?」がこの分野と関係します
4.安楽死・尊厳死
保阪正康『安楽死と尊厳死』講談社現代新書、640円
社会との関連も含めて、
安楽死と尊厳死の問題を考える本です。
「1安楽死とはどのような死か」「2尊厳死についての考察」
「3生命の尊厳と医療の現場、そしてこの社会」
「4高齢化社会と死生観」からなります。
加藤尚武『脳死・クローン・遺伝子治療』PHP新書、657円
では、安楽死・尊厳死の問題を「4患者の権利」の中で
取り上げています。
5.生命倫理全般
森岡正博『無痛文明論』トランスビュー、3800円
1 無痛文明とは何か
2 無痛文明における愛の条件
3 無痛奔流
4 暗闇のなかでの自己解体
5 身体の欲望から生命の欲望へ
6 自然化するテクノロジーの罠
7 「私の死」と無痛文明
8 自己治癒する無痛文明
森岡正博『生命観を問いなおす』ちくま新書、660円
は、生命を環境という大きな視点から捉えなおした本です。
生命倫理と環境倫理の関係についても、理解が深まるでしょう。
「序:環境倫理と生命倫理」「1生命テクノロジーの甘い罠」
「2エコ・ナショナリズムの誘惑」「3リサイクル文明の逆説」
「4ディープ・エコロジーと生命主義」「5専門の囲いの中で」
「6反脳死論を解読する」からなります。
米本昌平『バイオエシックス』講談社現代新書、631円
生命倫理の分野で積極的に発言している米本氏の本です。
「1科学・科学者・ジャーナリズム」「2バイオテクノロジーの行方」
「3遺伝子治療の光と影」「4拡大する体外受精操作」
「5臓器移植と脳死」からなります。
1・2で生命倫理全般の問題が扱われています。
同じ著者の本です。
米本昌平『先端医療革命』中公新書、680円
「1七十年代アメリカ医療思想革命」「2脳死と心臓移植」
「3優生社会への危険とは何か」「4倫理委員会とは何か」
「5胚と胎児をめぐって」「6先端医療の社会受容」からなります。
1・4・6で、生命倫理全般に関わる問題が扱われています。
島次郎『先端医療のルール』講談社現代新書、660円
「1人体は人か物か」「2受精卵は人か物か」
「3遺伝子は誰のものか」「4人と動物の境はどうなるか」
「終:何を、どうなすべきか」からなります。
1と終章で、生命倫理全般の問題が扱われています。
広井良典『ケアを問いなおす』ちくま新書、660円
「医療」ではなく「ケア」という視点から、
社会との関係にも配慮しつつ論じた本です。
「1ケアする動物としての人間」「2死は医療のものか」
「3高齢化社会とケア」「4ケアの市場化」「5ケアの科学とは」
「6<深層の時間>とケア」からなります。
有福孝岳編『エチカとは何か』ナカニシヤ出版、2400円
第2部は「倫理学の課題」で、倫理学の基本的な問題を
12章に分けて考察しています。
このうち「15生命と倫理」がこの分野と関係します
佐藤康邦・溝口宏平編『モラル・アポリア』ナナニシヤ出版、2200円
倫理の根本問題ともいえる、諸問題についての論稿を、
ずらりと並べた本です。
「17生命はどのような場合にも尊重されるべきか」が、
この分野と深く関わります。
加藤尚武『バイオエシックスとは何か』未来社、1500円
前半の「バイオエシックスとは何か」では、生命倫理を
多様な観点から考察しています。
後半の「テクノロジーとしての医療」は、
医学史等に造詣の深い中川米造氏との対談です。
加藤尚武『脳死・クローン・遺伝子治療』PHP新書、657円
では「序:バイオエシックスとは何か」で、
生命倫理全般について論じています。
加藤尚武『応用倫理学入門』晃洋書房、2200円
具体的にルール作り、ガイドライン作りの方法を示した本です。
このうち2で、生命倫理学がとりあげられています。
加藤尚武・松山寿一編『現代世界と倫理』晃洋書房、2850円
応用倫理学の諸分野を、分野ごとに概説したものです。
「3医療と倫理」が主に生命倫理と関係します。
加藤尚武『先端技術と人間』NHKライブラリー、830円
では、1で生命倫理が取り上げられています。
加藤尚武氏の人気シリーズ「応用倫理学のすすめ」の3冊で、
生命倫理に深く関係するのは次の箇所です。
加藤尚武『応用倫理学のすすめ』丸善ライブラリー、602円
「3エイズ患者のプライバシー」「5何歳になったら親に内証で人工妊娠中絶をしてよいか」
「6代理母は許されるか」「7安楽死と尊厳死」「8死刑廃止論」
加藤尚武『現代を読み解く倫理学(応用倫理学のすすめU)』丸善ライブラリー、680円
「2インフォームド・コンセントと患者の自己決定権」
「14遺伝子診断と「無知のヴェール」」
加藤尚武『合意形成とルールの倫理学(応用倫理学のすすめV)』丸善ライブラリー、820円
「1生命工学の可能性と倫理」「2生命と技術」
「3国家には「代理母」を禁止する権限がないか」
「4生殖補助医療と規制の方法」「5生殖補助医療の権利問題」
「6身体はお金にするといくらになるか」「7生命工学における公私のギャップ」
日本初の応用倫理シリーズが刊行中です。(未完結)
監修は加藤尚武氏と立花隆氏。
第1巻と第2巻が生命倫理と深く関わります。
現代社会の倫理を考える・丸善・予価1900円
1看護の倫理学
2生命と医療の倫理学