科学とは・学問とは
・ たまたま私が知ることになった文献をあげたものです。網羅的なリストではありません。
・ 比較的入手しやすい、日本語のものに限ってあります。
・ 値段は私が購入または調査した時点のもので、最新のものではありません。
・ 同じ本が、単行本から文庫本になったり、他社から出版されたりしている場合があります。


1.科学とは何か
2.科学と技術
3.科学と非科学・信仰
4.日本と科学
5.科学の歴史
6.科学の諸分野・その他


  1.科学とは何か

竹内薫『99・9%は仮説』光文社新書
プロローグ:飛行機はなぜ飛ぶのか?
       実はよくわかっていない
1.世界は仮説でできている
2.自分の頭のなかの仮説に気づく
3.仮説は180度くつがえる
4.仮説と真理は切ない関係
5.「大仮説」はありえる世界
6.仮説をはずして考える
7.相対的にものごとをみる
エピローグ:すべては仮説にはじまり、仮説におわる
からなります。
科学とは、学問とは何かを考えるのに、
お勧めの一冊です。

対談形式で、肩のこらない本として
湯川秀樹・梅棹忠夫著『人間にとって科学とはなにか』中公新書、476円
があります。科学界の超大物・湯川秀樹氏と、
科学の素養をもちながらも人類学に進んだ梅棹忠夫氏の対談です。
「1現代科学の性格と状況」「2科学における認識と方法」「3科学と価値体系」
「4科学とヒューマニズム」「5科学の未来」からなります。

やさしい本ということでは、ひけをとらないのが
中谷宇吉郎『科学の方法』岩波新書、660円
でしょう。具体例の中には、いわゆる「科学的」「理系的」なものがありますが、
全体として、誰が読んでも大変わかりやすい内容になっています。
「1科学の限界」「2科学の本質」「3測定の精度」「4質料とエネルギー」
「5解ける問題と解けない問題」「6物質の科学と生命の科学」「7科学と数学」
「8定性的と定量的」「9実験」「10理論」「11科学における人間的要素」
「12結び」からなります。

池田清彦『やぶにらみ科学論』ちくま新書
筑摩書房の「ちくま」などに連載されたエッセイをまとめたもの。
科学について正面から論じた本ではありませんが、
考えさせられる内容が盛りだくさんです。

池内了『物理学と神』集英社新書、740円
第1章 神の名による神の追放
第2章 神への挑戦―悪魔の反抗
第3章 神と悪魔の間―パラドックス
第4章 神のサイコロ遊び
第5章 神は賭博師
第6章 神は退場を!―人間原理の宇宙論
第7章 神は細部に宿りたもう
第8章 神は老獪にして悪意を持たず

松井孝典・南伸坊『「科学的」って何だ!』ちくま新書、760円
第1章 未来はなぜわかるわけがないのか?(「血液型性格判断」一刀両断;データや実験として意味のないことが根拠に ほか)
第2章 宇宙の果てはあるのか?(「時間旅行」は人間の世界では物理学的にありえない;現象として可能なことと、われわれが体験できることは違う ほか)
第3章 日本はなぜ不合理がまかり通る社会になったのか?(「疑い」をなくした日本は、精神的には中世レベル;学校教育の失敗―理数系は「我慢」を勉強する科目 ほか)
第4章 人間の欲望はなぜ尽きないのか?(知的欲求も物質的欲望も、「その外」を求めるのが現生人類;物質的欲望がない世界は、歴史上、実現したためしがない ほか)
第5章 研究するとはどういうことか?(辞書が信用できない;文明的に重要なハスが、ほとんど研究されていなかった ほか)

川崎謙『神と自然の科学史』講談社選書メチエ、1500円
鏡としての西欧自然科学
第1部(普遍性の正体;ギリシア人の方法;西欧自然科学の世界観)
第2部(日本語の秩序に従う自然;諸法実相の枠組み;実際の体験)
比較科学論への招待

レン・フィッシャー『魂の重さの量り方』新潮社、1800円
第1章 魂の重さを量る
第2章 物体を動かす
第3章 ツーフィンガーをニュートンに
第4章 コルセットを通る稲妻
第5章 愚か者の金?
第6章 フランケンシュタインのいのち
第7章 生命とは何か?
第8章 結論「必要な謎」

瀬戸一夫『科学的思考とは何だろうか―ものつくりの視点から』ちくま新書、740円
第1章 人類最古の科学(経験的な知識と科学の知識;分かりやすかった科学の祖先;異文化交流から生まれた科学 ほか)
第2章 権威を相対比する近代の科学(技術者の着想と宗教の強固な伝統;権威によって権威を倒す闘い;天動説と地動説の中間 ほか)
第3章 科学の宗教化と宗教の科学化(専門知識による生活世界の支配;選択の自由と境界に立つ科学;神学に導入された相対論 ほか)


 現在、この分野の第一人者である村上陽一郎氏の本をいくつか紹介します。

『新しい科学論』講談社ブルーバックス、540円
非常にわかりやすい本で、「科学とは?」といった疑問をもった学生に、
私が真っ先に薦める本です。相当昔に買った本ですので、値段はもっと上がっていると思います。
序章は「科学的なもの・人間的なもの」、あとは2章構成で、
「1科学についての常識的な考え方」「2新しい科学観のあらまし」からなります。

『科学の現在を問う』講談社現代新書、660円
タイトルどおり、科学の「現在」あるいは「現状」を論じたものですが、
同時に「科学とは?」という問いかけに十分答える内容になっています。。
中身は「1科学研究の変質」「2技術と安全」「3医療と現代科学技術」
「4情報と科学・技術」「5科学・技術と倫理」「6科学・技術と教育」からなります。
ちなみに村上氏は「安全学」といったテーマでも何冊か本を出しています。

『科学・技術と社会』光村教育図書、1600円
タイトルどおり、社会との関係に重点を置いて書かれた本です。
「1科学・技術とは」「2科学と技術の融合」「3日本社会と科学・技術」「4科学・技術の政策」
「5科学・技術の人材供給」「6研究の評価」「7科学・技術と倫理」「8医療と社会」
「9いろいろな問題」「10終りに」からなります。

『近代科学を超えて』講談社学術文庫、640円
論文集ですので、上にあげた本と比べると、かなり難しいといえます。
が、内容はその分、充実しています。
「1科学のなりたち」「2科学と価値」「3現代科学の境位」「4科学技術の前途」
「5科学の可能性」といったテーマで、各々2〜3の論文が収められています。


「科学とは何か」という疑問に直接答えているわけではありませんが、
科学というものをマクロな視点から、とってもやさしく論じたものに
村上陽一郎・豊田有恒『神の意志の忖度に発す−科学史講義−』朝日出版社、960円
という本があります。
上で紹介してきた村上陽一郎氏と、SF作家・豊田有恒氏の対談で、
まとまりには欠けますが、科学がこんなにも内容豊かなものだったのかと感心させられます。
固定した科学の見方を変えてくれる一冊です。
「1科学史は何を目指すか」「2中国・イスラム・ヨーロッパのエスノサイエンス」
「3科学革命期の群像」「4制度化の中の科学者たち」からなります。

科学について考えさせる、シェルドレイクの学説についての本を3冊。

喰代栄一『なぜそれは起こるのか』サンマーク出版、1748円
1.過去再現の法則
2.過去の言葉に共鳴する言葉
3.過去に共鳴する動物たち
4.過去に共鳴する人間
シェルドレイクの学説をもとに論じられています。

喰代栄一『こうして未来は形成される』サンマーク出版、1600円
1.過去再現と未来創造
2.共鳴する現代の形
3.未来を形成する「形の場」の秘密
4.「利他性」こそが未来へのキーワード
シェルドレイクの学説をもとに論じられています。

ルパート・シェルドレイク『世界を変える七つの実験』工作舎、2200円
第1部:ふつうの動物の超能力
 1.ペットは飼い主がいつ家路についたかを感知する?
 2.鳩はどうやって巣に帰る?
 3.シロアリはなぜ巨大アーチをつくれるのか?
第2部:心は脳の外へ拡がる?
 4.見つめられている感覚
 5.幻肢はそこに実在する?
第3部:ゆらぐ科学の客観性神話
 6.「基礎定数」は変化する!?
 7.実験者の期待は結果を左右する!?



  2.科学と技術

近頃は「科学技術」という言葉が一般化しており、科学と技術の違いがよくわかりません。
でも図書館の分類では、NDC番号が4から始まれば自然科学、5から始まれば技術・工学であり、
明確な区別があります(あるようです)。では、両者の違いは?

上に紹介した
村上陽一郎『科学・技術と社会』光村教育図書、1600円
科学と技術の関係(要するに、本来は別物!)が明確に論じられています。
特に本の最初の方に詳しく書かれていますので、じっくりお読みください。
「1科学・技術とは」「2科学と技術の融合」「3日本社会と科学・技術」「4科学・技術の政策」
「5科学・技術の人材供給」「6研究の評価」「7科学・技術と倫理」「8医療と社会」
「9いろいろな問題」「10終りに」からなります。
「科学技術」ではなく「科学・技術」と両者を意図的に併記しています。

佐々木力『科学論入門』岩波新書、640円
は、「科学論」をタイトルにしていますが、科学と技術の問題をしっかり扱っています。
「1近代日本の科学技術の性格」「2西欧近代科学の特性と発展」
「3技術とはなにか、それは科学とどう関係するか?」「4数学・自然科学・医学」
「5転換期の現代科学技術」からなります。



  3.科学と非科学・信仰

「科学と信仰‥‥そんなもの、関係ないに決まってる!」と言われそうですが、
そうではありません。
西洋近代科学とキリスト教の関係は、近頃ではむしろ「当然」の関係として認められています。
いくつか本を紹介しましょう。

村上陽一郎『科学・哲学・信仰』第三文明社(レグルス文庫)、600円
タイトルの通り、科学と信仰について論じています。
「1科学・哲学・神学」「2キリスト教の自然観と科学」「3科学的知識と信仰との異同」からなります。

信仰といえば、キリスト教というと科学との対立ということを
思い浮かべる人も多いことでしょう。そんな人には
渡辺正雄『科学者とキリスト教』講談社ブルーバックス、718円
をお勧めします。全26章と章が多いのでタイトルは紹介しませんが、
ガリレイ、ケプラー、コペルニクス‥‥らが、いかに熱心なキリスト教信者であり、
また彼らの発見にいかに信仰が関わっていたかがわかる、
まさに「目からウロコ」の本です。

ピエ−ル・テュイリエ『反=科学史』新評論、 3340円
ノアの洪水と科学
熱力学をこわがるのは誰か?
ジェミノスと宇宙の機械化
はじめに機械ありき
無視された科学=骨相発生学
バチビウスのためのレクイエム
進化論と交霊術=ウォレスの場合
N線の悲しい歴史
神、カントール、無限
ステファン・ルデュクは生命を創造したか
異端の主唱者ゲーテ
科学万能批判・あとがきにかえて

ピエ−ル・テュイリエ『ニュ−トンと魔術師たち−科学史の虚像と実像』 工作舎、1900円
1.錬金術の今と昔
2.悪魔と神の間の近代科学
3.数学:自己目的化道具か
4.数学:神の科学か人間の科学か
5.ニュートン:最後の魔術師
6.科学、宗教、政治:ニュートンの場合
7.マラー:怒れる物理学者
8.物理学と非合理
9.科学、反科学、貴族的科学
10.聖なるものの科学的利用
11.科学は性差別主義か



  4.日本と科学

辻哲夫『日本の科学思想』中公新書
「1文化の異質性と科学の普遍性」「2実理」「3‥‥之学」「4学術技芸」「5窮理」「6進化」
「7器械・工学」「8理学」「9自然」「10科学」「11技術」というタイトルで、
分野別に代表的人物の思想が取り上げられています。

渡辺正雄『日本人と近代科学』岩波新書、520円
「1武士から科学者へ」「2お雇い教師の日本研究」「3日本に変えられた動物学教師」
「4科学思想への対応」「5生物学と無常思想」「6近代科学と日本人の自然観」
「7総合的視野のもとに」というタイトルのもと、原則として1章につき1人の人物を
紹介してます。



  5.科学の歴史

平田寛『科学の文化史』朝倉書店、3800円
1. プロローグ
2. パピルスと石の文化
3. 粘土の文化
4. 科学精神の誕生
5. ムセイオンをめぐって
6. 古代科学の終幕
7. ゲルマン人の登場と修道院文化
8. イスラム圏の科学の役割
9. 科学する神学者たちと開花する大学
10. ヒューマニズムの誕生
11. 近代科学へむかって
12. 近代科学の定着
13. 啓蒙思想の浸透
14. 産業革命の到来
15. 20世紀の科学へむかって
16. 放射能,量子論,相対性理論
17. エピローグ
18. 参考文献
19. 年 表
20. 人名索引
21. 事項索引

島尾永康編著『科学の歴史』創元社、1165円
1.ギリシアの科学
2.中国の科学
3.宇宙観の転換
4.古典的近代科学の離陸
5.ニュートンの自然像
6.18世紀の科学と思想
7.進化論と自然史
8.熱学とエネルゲーティックの成立
9.19世紀前半の科学−その思想と背景

鈴木善次・馬場政孝『科学・技術史概論』 建帛社、1750円
第1部 科学と人間の歴史
1.科学の起源
2.科学革命の時代
3.科学啓蒙の時代
4.現代科学と日本人
第2部 技術と清算の歴史
5.技術の起源
6.鉄器と古代・古典社会
7.中世社会における技術の蓄積
8.産業革命
9.近代技術と科学
第3部
終:現代社会と科学・技術のかかわり

磯直道『科学思想史入門』東京教学社
序:科学とは何であろうか
1.古代
2.中世
3.近世
4.18世紀から19世紀へ
5.19世紀後半へ
6・20世紀前半へ
終:その後の展開は?



   6.科学の諸分野・その他

矢島稔『蝶を育てるアリ―わが昆虫フィールドノート』文春新書、720円
第1部 そもそも昆虫とは何か(いったいどのくらいいるものか;なぜ大きくなれないか;翅をもつようになった秘密;危ない橋を渡る「食」の戦略;生き残る確率と寿命)
第2部 わが半世紀のフィールドノート(蝶を育てるアリ;冬を生き抜く翅のない蛾;狩り蜂は二度敵をだます―蜂やアリの高等戦術;カマキリの雌は雄を喰わない!?;優雅なトンボにひそむエゴ;タガメの子殺し;ホタルはなぜ光るのか;カンタンの音に聴きほれる;カムフラージュするってほんとうか)

毎日新聞科学環境部『理系白書』講談社
「1文系の王国」「2権利に目覚めた技術者たち」「3博士ってなに?」
「4教育の現場から」「5理系カルチャー」「6女性研究者」
「7失敗に学ぶ」「8変革を迫られる研究機関」「9研究とカネ」
「10独創の方程式」「11文理融合」からなります。

小林哲夫『理系就職・転職白書』丸善、1600円
「1働くということ」「2就職活動」「3転職」からなります。
著者自身が「これほど詳細な理系の就職・転職本は
ほかにはないと自負しています」と書いています。





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