SDGsの第14番目の目標である豊かな海の保全を念頭に、伊勢湾流域圏の河川・海岸・海底・海面のMPの分布調査、樹脂被覆肥料の分解実験、MPへの付着藻類の研究を学外の研究機関と連携して実施し、地域社会に有用な情報を発信する。
(1) 伊勢湾流域圏の河川、海岸、海底、海面のMP分布調査
計測回数が不足している三重県側の海岸の調査、四日市港の海底の調査、湾央湾口の海面の調査を実施する。さらに三重県内の河川及び愛知県側の海岸について、調査範囲を広げる。
(2) 被覆肥料樹脂の分解特性研究
ガラスシャーレ内で5〜6種類の被覆樹脂の分解試験(120日間)を行う。
(3) 水田における被覆肥料樹脂の残留・流出量分析
MPのうち被覆肥料樹脂の流出源は水田であるといわれているが実態は不明である。そこで、学内の実験ほ場に作成した模擬水田で被覆肥料を用いた稲作を行う。栽培前後(春・秋)に被覆肥料樹脂の土壌中残留量を調べる。
(4) MPに付着した珪藻類の調査
(1)で採取した試料について、珪藻類の付着の有無や分類を電子顕微鏡等で行う。MPの原因となりえる海岸漂着プラスチック類に付着する藻類の有無と種類構成を分析する。また、種類の異なるマイクロプラスチックを用意して、湖沼や海に一定期間放置して回収し、付着した珪藻類を同様に調査する。
(5) 被覆肥料の発生源と発生量の調査
農協と関係を築き、被覆肥料の地域別・種類別販売量の把握を目指す。
費用は不要。
以上の調査結果を論文と報告書にまとめる。 |